88年前の5月

岩手県盛岡市紺屋町 昔は多くの染屋が集まったいたというこの町に88年前の5月
南部紫根染・南部茜染の南部しぼり専門店が開店しました。


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初代 藤田 謙
「俺は間違って染屋になった。」
もともとは画家を志していた謙は、よくこんなことを口にしていたといいます。

京都の染屋に見習いに行き、ここで初めて染色の美しさに魅了されました。ひかれたのは伝統の草木染、その美しさの中に絵画にも通じる芸術性を見つけました。

熱心に独自の技法に取り組み、京都に店を構える準備を始めますが資金難によって断念。

その頃岩手では、衰退の一途をたどっていた南部紫根染の復興と時代にあったデザインの開発を目指して南部紫根染研究所が開設されました。その研究所の主任として招かれた謙さんは、南部紫根染の復活に生涯をかけていくことになります。

謙さんは多くのデザインも残し、草紫堂の宝として大切にされています。現在でも謙さんのデサインは色褪せることなく、新しいデザインができるたびに息を吹き返すように感じます。

 

盛岡に南部紫根染が再興されて100有余年。
謙さんが再興した盛岡の紫根染の伝統、技術そして、精神をまた100年受け継ぎ守っていきたいと。そんなことを思う5月でした。